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佐渡裕/Berliner Philharmoniker (2011/5/20~22)
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榎忠/Hyougo Museum of Art (2011/10/12~11/28)


日頃親しくお付合いしている友人のなかで、この二人の2011年の活動は私たちに大いなる感動を与えてくれた。
5月に佐渡氏がベルリン・フィルを指揮したことは日本はおろか世界中のメディアに取り上げられた。世界の数多い名指揮者のなかで ほんの一握りの指揮者がこのオーケストラのタクトを振る、とても名誉な第一歩だった。
後に放映されたテレビのなかで、インタビューに対して楽団員の答えはすごく厳しい世界を語っていたがさすが世界に君臨するオーケストラであると思い知らされた。しかし彼の原点は常に変わらない、名門オーケストラの指揮も30年前の高校吹奏楽部の指揮も同様、夢中になって音楽に向かう圧倒的な熱意はベルリン・フィルにも浸透していった。
佐渡さんのこれまでを思うと、音楽の世界で特に少々肩肘はったイメージのクラシックのジャンルに新しい風を吹き込む開拓者のようだ、いやむしろ冒険者といったほうが相応しいかもしれない。
ごく普通な気持ちで聴ける気さくな環境作りをしてきた人物が、じつはもっと普通だった。
いつだったか阪神・巨人戦(甲子園)のとき、二人とも喫煙ルームに行きたくなって通路階段を登っていったらあっちこっちから「佐渡さーん」と声が掛かる、庶民的おばさんからおっさんである。聞いてみたら今津商店会の市場の人たちやと云う。オーケストラを指揮しながら楽団員から聴衆まで応える佐渡さん、市場の人たち相手に普通の親しみを持って応える佐渡さんは、大人物だ。


今秋の県立美術館で開催された『榎忠、美術館を野性化する。」は榎忠の集大成ともいえるスケールの大きさだった。
彼の作品は、すべて鉄、金属が素材。銃や薬莢、大砲など現代社会における刺激的な題材を扱った作品、多量に生み出される金属の廃材に新しい生命を吹き込んだ作品などが美術館に溢れた。どの作品も圧倒されるが中でも、金属部品を丹念に磨きあげ、積み木のように積み上げたインスタレーションによる近作だ、ライティングの移動により表現される様々な幻想を生み出す世界は圧倒的だった。たぶん彼の積年の思いとエネルギーが込められた充実作だと、私は勝手に思い込んでいる。(写真は当美術館のものではない)
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銃や大砲などの作品表現は、ややもすれば極端な解釈をされる場合もあるが、彼が常に云っている言葉がある。
「殺人兵器って人間が考えたものやん。でもそれを扱うのも人間。人間って凄いんやけど、もの凄く怖いし、愚かやし。欲だらけだし。今日も世界では何万と人が 死んでいるかもしれない。だから作品のような表面的に見立てて、反戦とか、戦争は賛美なのか?とかそんな問題では無くあんなん作りだす人間の根底にある恐 ろしさ、怖さ、欲いうもんに対しての凶悪的なものを表現してみたかった。」と。
人が好きで限りなくあつい男、ゆるぎない信念をもって独特の美の世界を作り出す”忠さん” 、お疲れさん。
by mokuba-kobe | 2011-12-31 19:20
■鉛温泉 "藤三旅館" (岩手県花巻市鉛字中平75-1)
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ここは加熱、循環とか差し水が一切ない源泉かけ流しの温泉。限りある地下資源をそれぞれの個性を生かした温泉が各地にあるが、源泉掛け流しに超したことはない。
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小判形の風呂は、日本で一番深い自噴岩風呂と云われる「白猿の湯」。深さが1.3mぐらいあり、大人の首が出る程度だから立っているしかなくてゆったりリラックスというわけにはいかない。高めの湯だから出たり入ったり繰り返すのがいい。

■”酸か湯温泉” (青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地)
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 温泉街を形成していない一軒だけの大きな温泉宿で、湯治場の雰囲気が色濃い孤高の温泉。
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撮影禁止の為お借りした。酸ヶ湯温泉名物「ヒバ千人風呂」は混浴。湯船の底から43度ぐらいの湯が湧いているが酸ヶ湯の名前の由来の通り酸性度が高く少し体がビリビリする。久しぶりに、昨年訪れたが「千人風呂」内に男女の仕切りが作られていたのが少し残念だった。写真はずいぶん以前のものがそのままホームページに使われているようだが、国内最大規模の威容を誇る木造建築と豊富な温泉の湧出量、泉質は素晴らしい。

■”鐘釣温泉”    (黒部市宇奈月町鐘釣温泉)
by mokuba-kobe | 2011-12-28 18:06
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私がまだサラリーマンの頃は、慰安旅行とか集団旅行には決まって山代、片山津、皆生の大箱ホテルだった。正直言ってこの温泉付きの大宴会なら”づぼらや”で充分だと思ったものだ。それ以来集団お付合い以外は二度と利用することはなかった。
高度成長の時代から温泉地は鉄筋コンクリートの大型化につけて宿泊客の奪い合いを続けてきた。このような時代背景から近年すこしずつ昨今の温泉ブームのせいもあって、置き忘れてきた本来の旅のしかた、温泉との接しかたが戻ろうとしている。時代の流れに取り残された山の小さな温泉宿こそ日本の原風景がある。私の選ぶ温泉宿もきっと旅人の心に添うと思う。

■黒川温泉”山河”  (熊本県阿蘇郡南小国町)
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湯布院がずいぶん前にブレイクしたあとに、黒川温泉が脚光を浴びた。ちょっとアートな町並みにグルメやグッズも楽しめる温泉街の湯布院とは違って、この黒川温泉の周りは何もない。20数軒の宿があるが全ての宿が日本建築でそれぞれの個性を持つため何処に宿泊しても遜色ないが、そのなかで中心地から離れた”山河”は3000坪の敷地をじつに良くデザインしている。
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秋田の鶴の湯に比較すると人工的な造作も少しは気になるが2つの露天風呂を含めて7つの風呂が敷地内の点在する。阿蘇の山間から湧き出る源泉は硫黄系で白濁、場所によって異なる泉質を使い分けしている。
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朝のミーティングみたいだが熊大留学生のフランス人と染色家たち、三四十年前の良き時代のユース・ホステルみたいな触れ合いを思い出す。ロビー奥の談話室。
by mokuba-kobe | 2011-12-26 13:05
■乳頭温泉”鶴の湯” (秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林)
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秋田藩主の湯治場として使われおよそ350年の歴史になる。本陣の建物(有形文化財)は当時のまま宿泊棟とした使われているので、時代劇のロケーションにも使えそうだ。通電はしてるがテレビもラジオも音の出るものは一切ないなかで囲炉裏を囲む一夜もいい。しかし本陣の予約はとても取りにくいそうだ。私が泊まったのは4月中旬、突然の大雪の日でも平日にも関わらず外国の人たちも混じっていっぱいだった。この湯治場集落の佇まいは行って思うしかないだろう。
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四つのそれぞれ異なった源泉からなっていて、白湯(混浴)、黒湯、中湯、滝湯の源泉掛け流し風呂がある。↓は”鶴の湯”(混浴)

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食事は季節の山菜や川魚、しかしなんといっても名物の「山の芋鍋」だろう。
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by mokuba-kobe | 2011-12-24 19:12
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                             (黒川温泉、山河)

旅行会社のホームページでは、海の幸、山の幸、味、ボリューム大満足と書かれ、食べきれないほどのグルメ写真が並ぶ。それに最近は露天風呂付きお部屋がやたら目につくし見ている側をこれでもかと誘惑してくる。
私が選ぶ温泉宿の基準は、料理は気の利いた構成にほどほどの量とその地のオリジナルがあれば上等だと思っている。露天風呂付きお部屋などは論外として、過多なおもてなしも必要としない、素朴な気遣いで充分だ。そして交通の便と立地が悪いのが秘湯というもの。
(つづく)
by mokuba-kobe | 2011-12-23 23:55
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15年ほど前に友人から貰ったダンヒルライター。ライターの石の入れ方が解らなくて10年放置、ついこの間使えるようにしたが、実はなーんだと思えるものほど難解。英国軍事産業出らしく精密なトリックは流石だ。
煙草を吸わないのがファッションと云われだして、ダンヒルやデュポン、カルチェみたいな高価なものはお目にかかれなくなった。いまでは喫煙者の多くが100円ライター、まず点火するための機能としては100円ライターとブランド物との差がないのだが、しかし煙草が嗜好ならその道具も昔のごとく嗜好的であってもいい。
今はささやかなひと時まで奪う「タバコ狩り」社会、世の中もっと余裕ある社会であったはずなのだが。・・・もっと自由を愛せよ。
ジノ・タビドフのお言葉『妻が私の吸っている葉巻の香りを嫌いだといったら・・・妻を代えるしかない』。
豪快なお言葉だ。   どこかに毒があるから魅せられる、酒、煙草、女。
by mokuba-kobe | 2011-12-21 23:43
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貧乏人から依頼されたロゴ・デザインが出来た。
これから益々厳しい冬をむかえる東北の被災地にむけて、手編みの靴下を届けたいという「自前支援者達」。
深川和美、福井県のおかあさん達、木馬のスタッフ、京都の奥様たちが日夜手編みを急いでいる。正月までには『FREE・HELP』(支援サポート)を通じて現地に届けてもらうということらしい。たかが知れた数かも知れない、届ける靴下の数だけが重要ではない、自分で何が出来るかということだ。
3月11日以来とんでもない突然の環境変化、自然と共生を絶たれた被災地域、生きることとは、連帯共生とは、いまここにいる自分自身も気が重くなるほど考えさせられる。
先週、3月から毎月支援サポートしている若者から現地の話を聞いた。「漁船はなんとかして手に入れた、ところが漁獲してもなんにもならないらしい、何故かというと大量漁獲した魚を保存する冷凍システムが壊れたり流されたままなんです。」私も気がつかなかった。
by mokuba-kobe | 2011-12-20 10:44
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夜中に酒が飲みたくなり ツマミにハゴロモ印のツナ缶を開けるたびに 必ずA・N氏のことを思う。
見事な調和を教わった、ツナ缶に辛子明太子を少々、鰹節、小口に切ったあさつき。
by mokuba-kobe | 2011-12-16 01:48
今回、清盛より以前に兵庫津と云われる港の時代が有ったのだということ知り勉強になった、それは別にして。
現実風景よりも、切り取られた1コマで改めさせられるのが写真の面白いところ。この写真にしてもそうだ。このように現実風景よりはるかに時代情緒を醸しだす。出来上がらないと解らないのが写真。
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兵庫区にある鋼材屋に足を運ぶことが度々あって、いつもすぐ側のこの運河で一服する。そんな或る日のスナップの1枚、 黄昏の時間、帰路に向かう作業船だった。
兵庫運河に面する材木町は、明治の時代より材木の貯水場として栄えた。兵庫運河と新川運河ともう一つの3つの運河は日本で最大の運河といわれ、戦前戦後から三菱や川重その他50も100もの大小の企業がこの運河の袂で栄えたと聞く。神戸市は衰退したこの地域の再開発に努力しているが、この運河の貯水場に1キロ幅で浮かんだ丸太の材木が三四十年は放置されたままで目に映るのがなんとも物悲しい。
by mokuba-kobe | 2011-12-14 19:19
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      これ以上色ずくことはできませぬ 紅葉は今し昇天を乞う
         (友人の大井犀霞さんから頂戴した短歌です。)
by mokuba-kobe | 2011-12-10 02:03