どうでもいい、今更昔話[北アルプス・2]

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涸沢岳から槍ヶ岳を望む。槍ヶ岳までは見てのとおり、アップダウンの連続。よく言われる大キレットは気の抜けない難所でもある。下の写真(左側に小さく登山客がいますが)は最低コル、強風がない限りぼちぼちいける稜線、これから先はとても気の張りつめた数時間だった。
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当時は、穂高山荘を起点にしていた。山荘では挽きたての珈琲がいただける、そしてモーツアルト。3000mの高地で珈琲とモーツアルトが聴けるとはとても結構なこと、こういうなかで小一時間ほどの読書はなおさら結構なことだ。
ある時、横から「マスター、僕です!」と声をかけられ、とたんに日常に引き戻された。声の主はときどき「木馬」に来ていた神戸大の学生だった。
時間が有りそうだったので珈琲を勧め話を聞いてみたら、毎年夏期になるとこの山小屋でアルバイトの手伝いをしているらしかった。しかし、その年は4回生で最後の年のアルバイトだと。山小屋での仕事は、朝4時から始まると聞く、それを1シーズンと言えどもよく3年間も続いたもんだ。このことに彼は、『僕は、その1シーズンですが毎年山小屋に戻ってきます。その度ごとに気付くんです。大袈裟な言い方ですが、下界での事象、事柄がよく見えるような気がするんです。それに、マスターも毎年ここまで登って来られます、だから解っているはずです。山が高いほど、高い山に登るたびに、抱え込んだ多くの雑然が整理され再生されていくことが。』
by mokuba-kobe | 2011-12-02 17:58